映画鑑賞履歴

  • わたしは、ダニエル・ブレイク
    ケン・ローチ: デイヴ・ジョーンズ
    イギリスの名匠ケン・ローチ監督が、失業した中年男性の苦境をリアルに描写。カンヌ国際映画祭、パルムドール賞。失業手当行政の矛盾はどこの国でも共通と思わせる。 (★★★★★)
  • ファントム・スレッド(18)
    ポールTアンダーソン: ダニエル・デイ・ルイス
    本年度アカデミー賞衣装デザイン賞受賞!! ダニエル・デイ・ルイス引退作!! ラスト30分の展開に92%が驚愕!! 等々にぎにぎしい宣伝文句につられてあわてて見に行きましたが、それほどでもありません。しかし、前半は仕立て屋の採寸シーンだけで尋常ならざる緊迫感を感じさせる。なれど、私はラスト30分に驚愕しない8%でした。 (★★★★)
  • クー嶺街少年殺人事件
    エドワード・ヤン: チャン・チェン
    夭折した台湾ニューシネマの旗手エドワード・ヤン監督の衝撃作。東京国際映画祭で審査員特別賞を獲得するなど一部に熱狂的に支持され、BBCの「21世紀に残したい映画100本」にも選出されているが、私にはラストの展開がどうしても納得できなかった。 (★★★★)
  • さざ波(15)
    アンドリュー・ハイ: シャーロット・ランプリング
    71歳になっても、容色いささかも衰えずフェロモン放出の奇跡の女優シャーロット・ランプリング! 最近作のこの作品では、なんとなんと70歳を超える高齢者同士のねっとりしたベッドシーンを難なく演じ切る。おまけにあわや主演女優賞のオスカーまでも取る勢い。今後ともさらなるご活躍を切に祈ります。 (★★★)
  • レヴェナント蘇えりし者(15)
    アレハンドロ・イニャリトゥ: レオナルド・デカプリオ
    文句なしのアカデミー賞の監督賞、主演男優賞そしてなにより撮影賞。堂々たる大作・名作。どうしてもアカデミー賞をとれなかったデカプリオが満を持しての受賞。かつてギルバートグレイプで天才子役として頭角を現し将来を嘱望され続けてきたレオ様の満願成就の戴冠である。 (★★★★★)
  • 殿、利息でござる(16)
    中村義洋: 阿部サダヲ
    「武士の家計簿」以来絶好調の磯田道史先生原作で武士の生活のリアルを追及するオモシロ時代劇。今回も期待にたがわぬおもしろさ。かつては鼻についた阿部サダヲの演技も、顔だけの瑛太の印象も、今や二人とも見事な演技派に変身していて、びっくり!! とりわけ阿部サダヲはどこかの演技賞をとりそう。 (★★★★)
  • あん(15)
    川瀬直美: 樹木希林
    川瀬監督には珍しくとってもわかりやすい映画。この映画の良さは、展開よりもキャスティングの良さ。主演の樹木希林をはじめ永瀬正敏、そして樹木希林の実の孫の内田伽羅に至るまで見事にはまる。思い出すのはまだ20代の当時悠木千帆。TVでNHKの青年の主張の物まねをしたが、そのうまさはただ者でなかったことをなつかしく思い出す。 (★★★★)
  • 博士と彼女のセオリー(14)
    ジェームズ・マーシュ: エディ・レッドメイン
    エディ・レッドメインがホーキング博士を迫真の演技で演じ、アカデミー賞主演男優賞を獲得して、あっという間の名優昇格。障碍者の物まねではない演技とはどんなものかを見せつける。きれいごとではない事実を隠さず表現することによって、感動はいや増さる。 (★★★★)
  • イミテーション・ゲーム(14)
    モルテン・ティルドゥム: ヘネディクト・カンバーバッチ
    第二次世界大戦中、ドイツのエニグマ暗号を解読したアラン・チューリングを描いたノンフィクション。ぬかったことに私はこの事実を知りませんでした。驚くべき偉業を狂気と紙一重でひとりの天才がなしとげます。今や当代の人気者であるホームズ役者のカンバーバッチが畢生の名演技。脚本が見事で、余裕のアカデミー脚本賞。 (★★★★★)
  • バードマン(14)
    アレハンドロ・イニャリトゥ: マイケル・キートン
    アカデミー監督賞をはじめ4部門獲得。メキシコが生んだ鬼才イニャリトゥ監督は今年も「蘇りし者」でアカデミー賞2連覇と乗りに乗っている。見れば見るほど味の出る名作中の名作。「マッドマックス」とともに今年のアカデミー賞は全く新しい表現方法を開拓した2作品を適正に評価した。日本のアカデミー賞とは大変な違いだ。 (★★★★★)
  • セッション(14)
    デミアン・チャゼル: J.K.シモンズ
    昨年のアカデミー賞最優秀助演男優賞。音楽学校の教師によるドラム指導のスパルタ教育を描いていると思いきや、ラストに血も凍るような教師による裏切りが描かれる。私も以前、上司による同様の裏切りに遭遇し、同様に反撃してみたが、映画のような後味の結末には残念ながら至らなかったのを思い出す。 (★★★★)
  • 6歳のボクが、大人になるまで。(14)
    リチャード・リンクレーター: パトリシア・アークエット
    6歳の子供に焦点を当てて、18歳までの12年間を断続的に描き、成年への成長期をリアルに描く。青春時代の真ん中はそれこそ客観的に意識できないものだが、こんなことだったのかと再確認させられる。P.アークエットがアカデミー賞の最優秀助演女優賞をとっているが、肩の力を抜いた自然な演技。 (★★★★★)
  • 薄氷の殺人(14)
    ディアオ・イーナン: リャオ・ファン
    中国・香港合作映画。ベルリン国際映画祭金熊賞、最優秀男優賞。かつて北野武が「その男凶暴につき」でデビューして以来の新鮮な映像表現と鮮烈なリアリティー。中国映画としては張芸謀の「赤いコーリャン」以来の歴史的名作。フィルムは富士でもコダックでもない中国製らしい。それが何よりの脅威か。 (★★★★★)
  • 母と暮らせば(15)
    山田洋次: 吉永小百合
    山田洋次の反戦映画はいつも戦闘シーンが一切出てきません。今回もそうです。くすんだ色調で市井の庶民の生活を丁寧に描きます。井上ひさしの「父と暮らせば」の立派なオマージュ。冒頭の原爆投下シーン、医大の授業中に教室が明るくなりインク壺が溶け、遅れて轟音と暗黒。キノコ雲を出さずに原爆を語る歴史的名シーンだと思います。 (★★★★)
  • スターリングラード(93)
    ヨゼフ・フィルスマイアー: トーマス・クレッチマン
    有名な2001年のアメリカ映画とは同名ですがかなり違います。あれはロシア軍から見たスターリングラード攻防戦。これはドイツ映画でドイツ軍から見た攻防戦。米映画よりリアル。投入されたドイツ軍26万人。生還したもの6千人。我が国のペリリュー島も硫黄島もはるかに上回る地獄の戦闘だったわけです。 (★★★)

最近のトラックバック

« 帽子のおばさん | トップページ | 31年ぶりに「砂の器」を見て »

2005.06.25

修正「ローハイド」

前々回「ミリオンダラー・ベイビーを見て」の記事中、TV映画「ローハイド」の放送時間を10時~11時としましたが、「そんなに遅くなかったのでは・・・」とのご指摘を受け、改めて調べましたところ、どうやら毎週土曜の9時~10時、放送局はNETだったようです。
それでも、当時の小学生としては、最後まで見終えるにはしんどい時間だったと思われますが、翌日が日曜であったため、何とか堪えられたようであります。
日本人という民族全体が、昭和30年代のその当時、大変健全な国民でありまして、夜9時にはどうやらかなりの割合の国民が就寝しているのが、常識であったようであります。24時間都市東京時代の今、改めて考えてみますと、この生活習慣の激変は、驚きを通り越して恐るべきものがあると、正直思います。

この部分は、信じられない読者もいると思われますので、ちょっと寄り道します。
小津安二郎の昭和32年の映画に「東京暮色」があります。この映画では、女子大生の有馬稲子が家を飛び出して、夜の喫茶店に10時頃一人でいるだけで、刑事の宮口精二に「家へ帰らないのか?」と何度も詰問されてしまうのが、不思議でなかった時代だったのであります。

話を戻します。他にも当時小学生の私の記憶と異なっていたのは、「ローハイド」の放送時期です。
私は、昭和30年代後半に2~3年の長期にわたって放送されていたように記憶していたのですが、実際は昭和34年の一年間だけだったようです。あまりに印象が強かったので、相当長期間放送されていたものと誤解していたようです。

この昭和34年と言う年は、前年に東京タワーが完成したおかげで、この年にフジテレビ、NETが新たに開局し、それまでの3つのチャンネルと合わせて、テレビ戦国時代に突入した時期であり、アメリカTV映画が各局で競うように陸続と放送された時期に当たります。
その主なものをあげますと、「ローハイド」を筆頭に、「ビーバーちゃん」「バット・マスターソン」「うちのママは世界一」「ガンスモーク」「ペリー・メイスン」「コルト45」「キャノンボール」「拳銃無宿」そして、あの「世にも不思議な物語」であります。
「世にも不思議な物語」は、通称「世にも」と言われまして、いやぁ~怖かったですね。冒頭のイントロ♪タタタ、タタタ、タータ♪ 思い出しますねぇ。今でも時々思い出しますから、我ら団塊の世代全体に、軽いトラウマを形成させたと言っても大げさじゃないのではないかなぁ。
あっ、「ライフルマン」もありましたねぇ。冒頭主人公がライフルをグルグル回した後、ナレーターが渋い声で「ザ・ライフルマン!スターリング、チャック・コナーズ!」とやったのが、かっこよかったですねぇ。確か、チャック・コナーズはメジャーリーグの野球選手出身だったはずです。

「拳銃無宿」や「バット・マスターソン」などの初期の西部劇は、ほとんどが30分もので、大人には物足りなかったようですが、これらに対して「ローハイド」が60分ものに切り替わるハシリだったようであります。
当時、「ローハイド」と人気を二分していた「ララミー牧場」にも触れなければならないでしょう。
これもNETで、毎週木曜の夜8時放映です。視聴率については、「ララミー牧場」がかなりの高視聴率だったような記憶があります。とりわけ、主人公ジェス役のロバート・フラーが圧倒的な人気でありましたが、その後、どうしたのかなぁ・・・
「ガンスモーク」は、その後、中学の英語教師が「FENでやっているから、ヒアリングの練習として聞け!」とよく言っていたのを思い出します。

最後にまた「ローハイド」に戻りますが、クリント・イーストウッド扮するロディ・イェーツの声をやっていたのが、その後ルパン三世の声で大人気となる、日比谷高校出身、当時若干27歳の山田康雄であります。

どうも今回は、なつかしさのあまり、とりとめがなくなってしまいました。読みにくくて失礼。
なお、今回の記事は、瀬戸川宗太著「懐かしのアメリカTV映画史」(集英社新書)を参考にしました。

« 帽子のおばさん | トップページ | 31年ぶりに「砂の器」を見て »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

この種の話は今より昔のほうが世代差が出るようですね。
私はローハイドやララミー牧場は話でしか知りません。
「わんぱくフリッパー」、「じゃじゃ億万長者」、「奥様は魔女」などがリアルタイムで記憶にある番組ですが、それでも再放送で見たのかもしれません。
とはいえ、今に比べるとずいぶんたくさんのアメリカ製ドラマを放映していたものですねえ。

ローハイドの時間帯については、僕も遅すぎると感じていました。当時の小学生としては、9時まで起きているのが通常の限界で、11時は真夜中です。それを10時まで特別の親の許可でみていたのでした。
思い出してみれば、当時のテレビドラマは大半はアメリカ製ドラマだった。
われわれは、アメリカ文化をテレビドラマによって知った世代ということなのですね。
懐かしい話ありがとう。テレビにかじりついていた小学生時代を思い出しました

下町少年さんのおっしゃるように、世代が少し違うだけで、今回の話には反応できないんですね。その代わり、同世代にとっては、涙が出るほど懐かしい話なんですから、むずかしいもんです。とりわけ、我々団塊の世代にとっては、こうした昭和30年代のアメリカTV映画が人格形成に与えた影響は、無視し得ないと思います。
というわけで、同世代の直さんには、率直に喜んでもらえました。ありがとう。

あはは。素直に喜べなくてすいません(笑)。
ただ、みんなが早寝だったっていうのは同感ですね。
私は子供は8時に寝なくちゃいけないって言われてました。
たまにアニメとか子供向けの映画が放送される時だけ
特別に起きていることが認められたのですが、
9時半まで起きている自分がすごく大人に感じられたものです。

「ローハイド」についてどうでもいいことを思い出しましたので、一つ、二つ、並べてみましょうか。まず「ローレン、ローレン、ローレン、ロォーハァイー」で始まる主題歌について。オイオイ「ロォーハァイー」じゃないだろう、とのご不審もおありでしょうが、アタクシの耳には最後のドの音が聞こえなかったんですね。「ルイジアナママ」の一節が「油煙松原ハンドドッグ」と聞こえたのと同じ類でしょうか。閑話休題。この歌を日本で歌っていた(今で言う「カバー」ってんでしょう)のが、「伊藤素道とリリオリズムエアーズ 」です。本来はジャズコーラスかなんかのグループだと思うんですが、コミックバンド風の味付けもあり、子供心にもなかなかセンスのいい小父さんたちだなあと思っていました。「ローハイド」のテーマでは、例の鞭の音が入るところで、スリッパでメンバーの頭を思い切りひっぱたいていましたっけ。次に、当時寄席に行きますと、声帯模写の桜井長一郎がテレビの「ローハイド」の一場面を声帯模写で聞かせていました。もちろん日本語吹き替え版での声の出演者たちの声帯模写で、「ウィシュッボン爺さん」とか「フェイバーさん」とか呼びかけて、科白のやりとりをする。(正しくは「ウィシュッボーン」なんでしょうが、伸ばさず「ウィシュッボン」と言ってましたね。「ヘップバーン」を「ヘボン」と言うが如し。)アタクシ、客席でこれを何度も聞いたので、そのうち「またかよ!」と感じるようになりました。何とも嫌な子供ですが、今から振り返ると、これは立派な芸だったと思います。それにしても、寄席芸の素材になるくらい米国製のテレビドラマって広く受け入れられていたんですね。

「伊藤素道とリリオリズムエアーズ 」って、ものすっごくなつかしい名前ですね。当時、このグループの名前は音で聞く事が多く、字で見たことがあまりなかったので、改めて書くとこれでよかったのだろうか?と心配になってしまいます。
大体「リリオリズム」って、どういうリズムなのかしら?これだけでも、すごい名前ですよね。
それに「伊藤素道」は、何度見ても字が違うような気がするんですが・・・やっぱりこの字だったんでしょうかねぇ。私には、「遠藤幸吉」や「吉村道明」と同じような名前に見えてしまうんですが・・・・ 

管理人さんの疑問にお答えすべく、アタクシもいろいろと考えました。リリオリズムエアーズのリーダー、伊藤素道の本名は、どうも「伊藤基道」らしいですね。でも、言われてみれば、「伊藤素道」って確かにプロレスラーみたいな名前だよなあ。アタクシのお袋は彼が結構お気に入りで、「いとうすどう」と呼んでいましたっけ。次に「リリオ」なんですが、リリオリズムエアーズの前身は、伊藤素道が慶応大学在学中に学生ばかりで始めたハワイアンバンドだったそうですから、超有名曲「アロハオエ」の作者として知られるハワイ最後の女王「リリオカラニ」の「リリオ」を取ったんじゃないかなあと愚考いたします。でもって、エアーズっていうのは「曲」とか「調子」って意味ですかねえ。以上を要するに、リリオリズムエアーズってのは「リリオカラニ女王のリズムの曲」っていうことですかねえ。もっとも、リリオカラニ女王のリズムってのはどんなリズムなんだ、と聞かれても困るんですが。「アロハオエ」のリズムでしょうかねえ。ちなみにアタクシの地元には「リリオホール」という会館があるんですが、この「リリオ」はスペイン語で「かきつばた」の意味だとか。区の花「花菖蒲」にちなんで名付けたんだそうで、リリオリズムエアーズとは関係なさそうです。「ローハイド」の話題がとんだところへ行ってしまい、恐縮です。

なぁるほど・・・
いつもながらの見事な蘊蓄、感謝です。
ところで、ついでに「伊藤素道さん」をインターネットで調べましたところ、2年前の平成15年8月に、腸閉塞で亡くなっているんですね。行年75歳だったそうです。
新聞に出ませんでしたよね。合掌・・・・

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 修正「ローハイド」:

« 帽子のおばさん | トップページ | 31年ぶりに「砂の器」を見て »

読んだぞ!リスト

  • 堀田 善衞: 時間 (岩波現代文庫)

    堀田 善衞: 時間 (岩波現代文庫)
    1936年から37年の南京事件を被害者の立場から描いた小説。「事実のけたはずれのすごみがかえって出来事をストーリー化のあたわぬものとして宙ずりにしてしまう」という逸見庸の解説が的確。ミクロの事実のディテールを克明に追うことによって、被害者の数ごときでは思い及ばぬ真実を読者に理解させる。 (★★★★★)

  • Henry Hazlitt(ヘンリー・ハズリット): 日経BPクラシックス 世界一シンプルな経済学

    Henry Hazlitt(ヘンリー・ハズリット): 日経BPクラシックス 世界一シンプルな経済学
    今売り出しのリベタリアンによる経済学の基本書です。いわば自由市場至上主義のおっそろしくわかりやすい入門書です。わかりやすすぎて読んでいると、眠くなります。昔、そういえばサミュエルソンの基本書を読むときも同様の眠さを感じました。睡眠導入書として一冊いかがでしょうか? (★★★)

  • 司馬 遼太郎: 関ヶ原〈上〉 (新潮文庫)

    司馬 遼太郎: 関ヶ原〈上〉 (新潮文庫)
    古今最大の戦闘となった天下分け目の決戦の過程を描かせたら司馬遼太郎の右に出る人はおりません。広大な関ヶ原を舞台に、これ以上ないような複雑な人間関係を生き生きと描写して最後まで一気に読ませます。しかし、私は今さらながら知ったのですが、関ヶ原の戦いって、ギリギリの好勝負だったんですねぇ。 (★★★★★)

  • 鈴木 大拙: 禅 (ちくま文庫)

    鈴木 大拙: 禅 (ちくま文庫)
    難解な禅の神髄そして悟りについて、平易に説得力をもって解説してくれる禅入門の名著。要するに「色即是空、空即是色」の世界を噛んで含んで丁寧に教えてくれる。世界の見え方が変わるほど理解できた気になるのは、大拙師のおかげか、はたまた訳者の工藤澄子氏のおかげなるや? (★★★★★)

  • 岸田 秀: ものぐさ精神分析 (中公文庫)

    岸田 秀: ものぐさ精神分析 (中公文庫)
    「人間は本能の壊れた動物である」から始まってフロイトもユングもぶっ飛ばして、人間存在の幻想性を鍵に、独自の「岸田唯幻論」を展開する。作者自身が自信なさそうで、こちらも今一つ乗り切れない。 (★★★)

  • 辺見 庸: 1★9★3★7(イクミナ)

    辺見 庸: 1★9★3★7(イクミナ)
    いつも戦争を被害者の目から見がちな我々だが、加害者の目から徹底的にリアルに掘り下げる逸見先生。1937年の南京事件を糸口に、現代の安保法制に渾身の怒りをぶつけ咆哮する。しかし、作者が激怒する昭和50年の昭和天皇の記者会見発言、ぬかったことに私は知りませんでした。戦後から現代に至る我が国の総無責任気質の根源はここにあったんですね。 (★★★★)

  • エマニュエル・トッド: 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告 (文春新書)

    エマニュエル・トッド: 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告 (文春新書)
    最近珍しい元気のいいフランス人エマニュエル・トッドが、没落するフランスをほとんどドイツのせいにして悪態をつく。ドイツにとって、東西ドイツ統合もEU統合も千載一遇の濡れ手で粟であることを声高く主張するトッドさん。割り引かなければならないが、説得力あるよ。 (★★★★)

  • 司馬 遼太郎: 世に棲む日日 (文春文庫)

    司馬 遼太郎: 世に棲む日日 (文春文庫)
    どんな幕末オタクでも、苦手とするわかりにくい時期があります。蛤御門から薩長合同の時期の長州の実情です。久坂玄瑞をはじめ手当り次第で死んでいき、誰もがもはや長州は壊滅と確信した瞬間、鬼神とも雷神とも称される高杉晋作の奇跡的怒涛の進撃で情勢逆転。この様子がよくわかる司馬遼太郎の天才的作品です。 (★★★★★)

  • 百田 尚樹: 影法師 (講談社文庫)

    百田 尚樹: 影法師 (講談社文庫)
    本屋大賞作家百田尚樹の小説作法のよくわかる作品。あらかじめ伏線を思い切り撒いておいて、最後にかたっぱしから回収しまくる方式が、読み手としては快感。しかし「永遠の0」の時も思ったのですが、本作の彦四朗といい主人公の潔い高潔さと自己犠牲の姿勢はちょっと非現実と言ってはいけませんかねぇ。 (★★★)

  • 菊地 明: 新選組三番組長 斎藤一の生涯 (新人物文庫)

    菊地 明: 新選組三番組長 斎藤一の生涯 (新人物文庫)
    「寡黙で猟奇的な人切り」なのかはたまた「最後は警官と東京高師の事務官を勤め上げた謹厳実直の人」か?謎の新撰組隊士の全貌が見渡せる。読後、最大のサプライズは、斉藤の妻はなんと!山本八重に勝って会津藩の照姫の祐筆を射止めた高尾(貫地谷しほり)だったということです。 (★★★)

  • 佐野 眞一: 甘粕正彦 乱心の曠野

    佐野 眞一: 甘粕正彦 乱心の曠野
    著者独特の克明な調査を反映して大変な長編ルポルタージュになっており、部分的にディテールに入り込みすぎてわかりにくいところはあるものの、最終盤にかけてドラマチックでとってもおもしろい。甘粕憲兵大尉については吉田喜重の「エロス+虐殺」以来デモーニッシュなイメージが先行してしまいがちな我々の世代にとって、あっと驚く新事実続出で当時が決して異常な世相とは思えない気がしてくる。要するに今でも起こりうるという意味で・・・ (★★★★★)

  • 鹿島 圭介: 警察庁長官を撃った男

    鹿島 圭介: 警察庁長官を撃った男
    あの立花隆大先生が週刊誌で推薦している本。あまりに有名な'65年の国松孝次警察庁長官狙撃事件のノンフィクションルポ。立花先生が珍しく「真犯人はこの老人だ!」と興奮して断言する。著者はフリーのルポライターなれど、文章力弱く読みにくい。しかし、これが事実とすると当時の米村警視総監の責任は非常に重い。 (★★★★)

  • 北野 武: 超思考

    北野 武: 超思考
    私はこれまでのタケシ本をほとんど読んできましたし、読んで損はなかったケースがほとんどでした。今回も幻冬舎が満を持して出版したようですが、さすがに新鮮味が薄れてきました。タケシの少年期における母親の教育を何度か賛美しているが、これはたけちゃんらしくなくて、「タケシ!老いたり!」と思わせます。 (★★★)

  • 渡辺 淳一: 孤舟

    渡辺 淳一: 孤舟
    某一流広告会社をそこそこの役員で退職した高級サラリーマンの定年退職後を「失楽園」の渡辺淳一が意欲的に描いたはずだったのですが・・・この小説は全くひどいですねぇ。この主人公、とにかくウジウジした思いっきり情けないおっさんです。あの「失楽園」で過激に世間を挑発した同じ作者とは到底思えません。 (★)

  • 町田 康: 告白 (中公文庫)

    町田 康: 告白 (中公文庫)
    明治26年に実際に起きた大阪府南東部赤阪水分の11人斬殺事件を題材としたロックンローラーで作家の町田康の傑作。全編独特のロック調とも言うべき文体で、かつ河内音頭の熱と意気を感じさせる。事件後わずか1ヶ月で河内音頭として大ヒット。「男持つなら熊太郎弥五郎、十人殺して名を残す」と歌っている。 (★★★★)

カテゴリー

  • スポーツ
  • ニュース
  • パソコン・インターネット
  • メジャーリーグ
  • 吉永小百合
  • 心と体
  • 携帯・デジカメ
  • 文化・芸術
  • 旅行・地域
  • 日記・コラム・つぶやき
  • 映画・テレビ
  • 書籍・雑誌
  • 東京を歩く
  • 歴史
  • 病気
  • 経済・政治・国際
  • 美術館・博物館
  • 舞台
  • 芸能・アイドル
  • 落語
  • 趣味
  • 青春の思い出
  • 音楽
無料ブログはココログ