映画鑑賞履歴

  • さざ波(15)
    アンドリュー・ハイ: シャーロット・ランプリング
    71歳になっても、容色いささかも衰えずフェロモン放出の奇跡の女優シャーロット・ランプリング! 最近作のこの作品では、なんとなんと70歳を超える高齢者同士のねっとりしたベッドシーンを難なく演じ切る。おまけにあわや主演女優賞のオスカーまでも取る勢い。今後ともさらなるご活躍を切に祈ります。 (★★★)
  • レヴェナント蘇えりし者(15)
    アレハンドロ・イニャリトゥ: レオナルド・デカプリオ
    文句なしのアカデミー賞の監督賞、主演男優賞そしてなにより撮影賞。堂々たる大作・名作。どうしてもアカデミー賞をとれなかったデカプリオが満を持しての受賞。かつてギルバートグレイプで天才子役として頭角を現し将来を嘱望され続けてきたレオ様の満願成就の戴冠である。 (★★★★★)
  • 殿、利息でござる(16)
    中村義洋: 阿部サダヲ
    「武士の家計簿」以来絶好調の磯田道史先生原作で武士の生活のリアルを追及するオモシロ時代劇。今回も期待にたがわぬおもしろさ。かつては鼻についた阿部サダヲの演技も、顔だけの瑛太の印象も、今や二人とも見事な演技派に変身していて、びっくり!! とりわけ阿部サダヲはどこかの演技賞をとりそう。 (★★★★)
  • あん(15)
    川瀬直美: 樹木希林
    川瀬監督には珍しくとってもわかりやすい映画。この映画の良さは、展開よりもキャスティングの良さ。主演の樹木希林をはじめ永瀬正敏、そして樹木希林の実の孫の内田伽羅に至るまで見事にはまる。思い出すのはまだ20代の当時悠木千帆。TVでNHKの青年の主張の物まねをしたが、そのうまさはただ者でなかったことをなつかしく思い出す。 (★★★★)
  • 博士と彼女のセオリー(14)
    ジェームズ・マーシュ: エディ・レッドメイン
    エディ・レッドメインがホーキング博士を迫真の演技で演じ、アカデミー賞主演男優賞を獲得して、あっという間の名優昇格。障碍者の物まねではない演技とはどんなものかを見せつける。きれいごとではない事実を隠さず表現することによって、感動はいや増さる。 (★★★★)
  • イミテーション・ゲーム(14)
    モルテン・ティルドゥム: ヘネディクト・カンバーバッチ
    第二次世界大戦中、ドイツのエニグマ暗号を解読したアラン・チューリングを描いたノンフィクション。ぬかったことに私はこの事実を知りませんでした。驚くべき偉業を狂気と紙一重でひとりの天才がなしとげます。今や当代の人気者であるホームズ役者のカンバーバッチが畢生の名演技。脚本が見事で、余裕のアカデミー脚本賞。 (★★★★★)
  • バードマン(14)
    アレハンドロ・イニャリトゥ: マイケル・キートン
    アカデミー監督賞をはじめ4部門獲得。メキシコが生んだ鬼才イニャリトゥ監督は今年も「蘇りし者」でアカデミー賞2連覇と乗りに乗っている。見れば見るほど味の出る名作中の名作。「マッドマックス」とともに今年のアカデミー賞は全く新しい表現方法を開拓した2作品を適正に評価した。日本のアカデミー賞とは大変な違いだ。 (★★★★★)
  • セッション(14)
    デミアン・チャゼル: J.K.シモンズ
    昨年のアカデミー賞最優秀助演男優賞。音楽学校の教師によるドラム指導のスパルタ教育を描いていると思いきや、ラストに血も凍るような教師による裏切りが描かれる。私も以前、上司による同様の裏切りに遭遇し、同様に反撃してみたが、映画のような後味の結末には残念ながら至らなかったのを思い出す。 (★★★★)
  • 6歳のボクが、大人になるまで。(14)
    リチャード・リンクレーター: パトリシア・アークエット
    6歳の子供に焦点を当てて、18歳までの12年間を断続的に描き、成年への成長期をリアルに描く。青春時代の真ん中はそれこそ客観的に意識できないものだが、こんなことだったのかと再確認させられる。P.アークエットがアカデミー賞の最優秀助演女優賞をとっているが、肩の力を抜いた自然な演技。 (★★★★★)
  • 薄氷の殺人(14)
    ディアオ・イーナン: リャオ・ファン
    中国・香港合作映画。ベルリン国際映画祭金熊賞、最優秀男優賞。かつて北野武が「その男凶暴につき」でデビューして以来の新鮮な映像表現と鮮烈なリアリティー。中国映画としては張芸謀の「赤いコーリャン」以来の歴史的名作。フィルムは富士でもコダックでもない中国製らしい。それが何よりの脅威か。 (★★★★★)
  • 母と暮らせば(15)
    山田洋次: 吉永小百合
    山田洋次の反戦映画はいつも戦闘シーンが一切出てきません。今回もそうです。くすんだ色調で市井の庶民の生活を丁寧に描きます。井上ひさしの「父と暮らせば」の立派なオマージュ。冒頭の原爆投下シーン、医大の授業中に教室が明るくなりインク壺が溶け、遅れて轟音と暗黒。キノコ雲を出さずに原爆を語る歴史的名シーンだと思います。 (★★★★)
  • スターリングラード(93)
    ヨゼフ・フィルスマイアー: トーマス・クレッチマン
    有名な2001年のアメリカ映画とは同名ですがかなり違います。あれはロシア軍から見たスターリングラード攻防戦。これはドイツ映画でドイツ軍から見た攻防戦。米映画よりリアル。投入されたドイツ軍26万人。生還したもの6千人。我が国のペリリュー島も硫黄島もはるかに上回る地獄の戦闘だったわけです。 (★★★)
  • アウトレイジ ビヨンド(13)
    北野武: ビートたけし

    前作と同様、カンヌを狙い、たけしも結構本気出していたが、今回も空振り。しかし、私はかなり楽しめた。殺し方もずいぶん新手で驚かすし、ヤクザの演技も本物よりヤクザらしい。しかし、いくらなんでも死人が多すぎ。ラストはまだ続編の意欲満々に見えるが、如何なものか? (★★★)
  • 終の信託(12)
    周防正行: 草刈民代

    安楽死問題を真正面から取り扱う周防監督らしい社会派意欲作。苦悩する医師をオールドミス女医役として監督の愛妻草刈民代に超長回しで挑戦させる。草刈民代は正直言って荷が重く、役所広司や浅野忠信、大沢たかおなど脇を思いっきり固めるが無理だった。 (★★★)
  • チョコレートドーナツ(14)
    トラビス・ファイン: アラン・カミング
    ゲイのカップルがダウン症の少年を保護し愛情をそそぐ感動作。世間から二重の差別を受ける3人が、本当の家族について考えさせる注目作。ラストの衝撃に落涙必至。 (★★★★★)

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2006.03.10

吉永小百合と芦川いづみ

吉永小百合がテーマになった途端、読者からの反応がピタッと止まりました。我々団塊おじさんにとっては、「神」とも呼ぶべき聖域に手を付けた報いなのか・・・・定かではありませんが、委細かまわず、敢然として今回も吉永小百合について語ります。

sayuri 昭和35年、都立駒場高校に入学するとほぼ同時に、天下の美少女吉永小百合は過剰なハードスケジュールに翻弄され始めます。
まず5月、小百合の記念すべき日活デビュー作「拳銃無頼帖・電光石火の男」で喫茶店のウェイトレス役を演じ、その美少女振りから圧倒的な注目を浴びます。この「拳銃無頼帖」は、夭折した日活大スター赤木圭一郎のヒットシリーズで、この作品で浅丘ルリ子や宍戸錠とも共演しています。

当時の日活映画(正確には東映も東宝もほぼ同じ状況でしたが)は、とにかくものすごい勢いで映画を回転させていまして、封切りして平均2週間でもう次の作品に変わっていたのです。
s-kyuupora その結果、小百合は、5月の「電光石火の男」で日活デビューを果たして以来、翌年1月までのわずか9ヶ月間で、10本の日活映画に出演しています。1ヶ月に1本以上の超過密スケジュールだったわけです。
ということで、当然出席日数不足で都立駒場高校を中退、昭和36年からは、当時芸能人がよく行く精華高校へ転校しております。結果的に、小百合は大検を受けて早大受験をしていますので、精華高校も卒業できなかったことになります。

昭和36年、小百合は、なんとたった1年の間に16本の映画に出演し、ハードスケジュールのピークを迎えます。
小百合にとって何より不幸だったのは、あたら青春の真ん中にありながら、想像を絶する過密スケジュールの中で出演した映画のほとんどが、後世には残るとは絶対に思えない駄作ばかりだったことであります。
唯一例外らしき作品は、9月に公開された「あいつとわたし」でしょうか。
この映画は、原作:石坂洋次郎、監督:中平康で、主演は石原裕次郎と芦川いづみ。小百合は、芦川いづみの妹役でした。
この作品が典型的だったようでありますが、後年小百合が語るところによりますと、「同世代の友人が全くいない環境の下、砂をかむような過剰な過密スケジュールの中で、唯一支えてくれた人が、この作品で共演した芦川いづみ先輩だった」そうであります。
女優としての化粧方法の基礎から、撮影所での基本的作法・しきたり・身の処し方について、何も知らないまっさらなキャンバスでしかなかった小百合に、親身の指導を惜しまなかったのが、芦川いづみ先輩で、大変な心の支えだったとしみじみ述懐しております。

asikawa 芦川いづみ・・・・・
団塊のご同輩たちは、ご記憶でありましょうか?地味ではありましたが、理知的で清楚ないい女優さんでしたよね。根強い人気がありましたが、ある日、藤竜也という当時聞いたことも無い名前の俳優と、突然結婚。そして、ほぼ同時に映画界を完全に引退。それこそ、山口百恵も及ばない、すっばらしいいさぎよさでした。
その後、彼女は映画にもテレビにも週刊誌にも、見事に一度も顔を見せていないことから、伝説の人になりました。(でもよく考えますと、彼女も今年で堂々御年70歳のはずなんですねぇ!)
当時の週刊誌の語るところによりますと、藤竜也は当時の日活看板男優の一人であった葉山良二と争って彼女を勝ち取ったそうでありますが、私たちにしてみれば、当時「藤竜也ってのは一体全体、どこの馬の骨?」と思っていたものであります。
四十年後の今、葉山良二を知る人はほとんどおりませんが、藤竜也の方は、わが国映画界で隠れも無き名バイプレイヤーとなりました。芦川いづみの判断の的確さに脱帽せざるを得ません。なお、今の若い人に説明するには、「真鍋かおりを清純にした感じ」とでも言えばいいのでしょうか?(余計わからないか)
なお、芦川いづみを見出して映画に抜擢したのは、このブログの「洲崎パラダイス編」でもご紹介した天才川島雄三監督です。このため、彼女の初期には、話題となった松竹映画「洲崎パラダイス・赤信号」にも出演しています。

話を元に戻します。
こうして、日活が二週間に一本のペースで垂れ流す洪水のような駄作の流れに惜しげもなく身をさらす小百合は、昭和37年17歳の時、何の脈絡も無く、歌謡界にデビューします。
ビクターレコードに所属し、当時ヒット曲連発中の吉田正門下で、永遠の名曲「寒い朝」をひっさげて歌手デビューします。
さらにこの年、小百合は橋幸夫とのデュエットで「いつでも夢を」を歌い、第4回レコード大賞を受賞。同年大晦日の紅白歌合戦初出場と、トントントントン歌謡界の方の出世街道を駆け上がります。
当時中学1年の私にとっては、全部で5年くらいの時間の経過の実感なんですが、この年の小百合の活躍をこうして実際に調べてみますと、たった一年間の出来事だったんですねぇ!改めて、驚きです。

ということで、次回以降に続きます。

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「吉永小百合」カテゴリの記事

コメント

芦川いずみ・・・・
この名前を目にする度に(と言ってもここ数年は殆ど目にしませんが)なんとも言えぬ甘酸っぱ~い気分になります。
そうなんです。私が生まれて初めてあこがれた女優なんです。
それも映画を観てではありません。映画館の大きな看板に描かれたこの人の似顔絵に惚れたという、なんともうぶな田舎の少年でした。
当時、たくさんの美しい女優さんの似顔絵を見たとおもいますが、この人は私好みの顔だったのでしょうか。とにかく少年の私にとって、“女優”といえば芦川いずみでした。
吉永小百合の似顔絵も見たとおもうのですが、当時は何も感じませんでした。私が吉永小百合を好きになったのはもっとあと、彼女が中年になってからです。
その点、壮大な零さんは根っからのサユリストであることがよ~くわかりました。脱帽です。

私が「根っからのサユリスト」であることについては、実はまだその片鱗の半分も語っておりません。これからがすごいんです。お楽しみに。
ところで、今回も「男たちの飛鳥」さんだけの反響になるのでしょうか?
大体の傾向として、書く方があまり熱くなりすぎると、受け手の読者はおおむね反対にさめてしまうようです。むずかしいものです。

根っからのサユリスト」さんに聞きますが
現在でも吉永小百合さんは、やっぱり
「神」とも呼ぶべき聖域以外にはないのでしょうか?
それって、恋人にしたい女性とか
奥さんにしたい女性とかの枠には絶対
入らないのですか?
同年代の女性としても、幾つになっても変わらぬ
知的な美しさは憧れなのですが
「上手に年齢を重ねた女優さんは誰かな?」なんて
友人同士で会話をすると、秋吉久美子さんや
風吹ジュンさん松坂慶子さんなどの名前が上がりますが
吉永小百合さんは「きれいだけどね~」で
止まってしまいます。なぜかなと思っていましたが
テレビで「北の零年」の映画を観ていて
何となく、その理由がわかった気がしました。
危うさが、彼女には感じられないのです。
どんな役を、やっても凛とした吉永小百合の
印象が強すぎるのです。
同性として、憧れるけれど、心を沿わせられない・・
ずっと、不思議と思っていましたが
それが壮大な零さんの我々団塊おじさんにとっては、
「神」とも呼ぶべき聖域に手を付けた報いなのか・を
読んで、「う~ん」と納得!
「サユリストさん」達は
神としての、彼女に
生身の女性を求めたりはしないのでしょうか?

吉永小百合を評して「凛とした強さ」というのは、ちょっとほめすぎだと思います。かつて、樹木希林が「夢千代日記」で競演した時、「何の印象も受けない人」と評して物議をかもしましたが、実はこれが正解でしょう。すなわち、自らはあらゆる価値観や判断からフリーのポジションにあることによって、中立で崇高な地位を確保するわけです。神や天皇と同じ力学が働いているわけです。
これは彼女の罪ではなくて、小学生の時から同世代のいない大人の世界の中で酷使され続けてきた経歴の中での一種の自己防衛本能のなせる業だと思います。
私が見るところ、実は、本人自身がかなり若い時から自分のこうした力学には気がついていたと思います。だからこそ、そのストレスを発散するために、時々、脈略もなく突拍子もない不可解な政治的主張をするんだと思います。

小生、吉永小百合より芦川いづみの方が好きですッ!って、まあそう興奮することもないんですが。管理者が彼女に言及して下さったことに、本人に代わり厚く御礼申し上げます。当時、小生の住んでいる町には残念ながら日活系の映画館がなかったので、彼女の立て看板やポスターにお目にかかったことはありません。ですから、彼女の出る映画も見たことはありませんでした。それじゃあ何で芦川いづみが好きだったの?と問われれば、もっぱら床屋さんや歯医者さんの待合室で見た月刊誌「平凡」やら「明星」のグラビアページで、「なんてきれいなお姉さんなんだ」と胸を熱くしていたんでございます。それともう一つ、学習研究社発刊の小学6年生用「学習年鑑1961年版」に芦川いづみのコラムがあり、彼女の写真と「ファンファンのこと」と題する自筆原稿が載っていたんです。何ゆえ学習年鑑に芦川いづみのコラムがあったのか、今となっては全く謎ですが、何にしても粋な年鑑編集部ですよねえ。原稿の中味ですが、彼女の日活の同僚である「ファンファン」こと岡田真澄が大変親切な人であるというようなことが書かれていたように記憶しています。それから時移り、星変わり、幾星霜。今、日本映画専門チャンネルやら衛星映画劇場で芦川いづみの出演作を見まくっている小生があるわけです。田坂具隆監督の「若い河の流れ」でショスタコーヴィチのレコードを踏みつける高貴。市川崑監督の「青春怪談」でヒロインの北原三枝を慕う可憐、そしてエキセントリックぶり。芦川いづみ、大好きですッ!

あんまり芦川いづみに入れあげていると吉永小百合に申し訳ないんで、罪滅ぼしに昭和51年のNHK大河ドラマ「風と雲と虹と」を話題にさせて下さい。どういうドラマかというと、日本史で習ったでしょ、「承平天慶の乱」ですよ。平将門(加藤剛)と藤原純友(緒方拳)が主人公。原作は海音寺潮五郎、脚本は福田善之です。何せアナタ、海音寺といえば、先の大戦中、軍の報道班員として徴用されたときのこと、居並ぶ著名作家を前に将校が訓辞で「言うことを聞かない奴はぶった切る!」とかなんとかヌカしたときに、「ぶった切ってみろ!」と大声を発したという反骨の作家。福田善之だって負けちゃあいない。60年安保の挫折を描く「真田風雲録」の伝説的脚本家。だもんで、この大河ドラマ、「これがNHKかい?」というくらい反体制的な気分が横溢してましたヨ。なにせ日中韓の反体制勢力が連帯して各国で革命の狼煙を上げ、挫折してしまうという凄い筋立てです。そのコーディネーターであるところの怪人二十面相みたいな女に扮するのが吉行和子だってんだから、何が何だか分からない。でも、この調子で書いてると話題がどんどん小百合さんから離れていくなあ。ここいらで本筋に戻しましょうか。吉永小百合の役は、京の都で平将門と恋に落ちる没落貴族のお姫様。で、きっと迎えに来るからネと約束して将門は一旦関東に帰る。しかし、再び将門が都に上ると、小百合姫は行方不明になっている。探しあぐねて将門がいかがわしい屋敷に上がると、そこで何と遊び女になっていた小百合姫と再会するという、「吉永小百合命」という方にとっては前代未聞の展開です。娼婦となった我が身を嘗ての恋人に見られて恥ずかしさに絶え入らんばかりの小百合姫だったが、将門に説得されて関東に下ることを承諾する。しかし、悲劇は続くのであります。一足先に関東へ下る彼女、何と箱根の山で盗賊どもに襲われ、暴行されて死んでしまうという、今から考えるとものすごいストーリーです。吉永小百合、これで新しい境地が開けなかったのかなあ。開けなかったんでしょうねえ。

酢豆腐さん、いつもながらのご懇篤なコメント感謝です。さてお話の昭和51年のNHKの大河ドラマ「風と雲と虹と」ですが、私は残念ながら一度も見た記憶がありません。しかし、コメントにある吉永小百合の役柄から考えて、私にとっては必見のドラマだったようです。
私にとっての吉永小百合の「新境地への挑戦」と申しますと、何と言っても昭和50年の東宝映画「青春の門・筑豊篇」での仲代達矢とのHシーンとひとりでの自慰シーンが、大反響でございました。しかし、私の場合、どうしても肉親に似た感覚で見ておりますので、この時も「痛々しいやら、恥ずかしいやら」で、正視できなかったというのが正直なところでございます。しかし、一応この作品で吉永小百合は「清純派からの脱皮」に成功したことになっています。
そう言えば、この映画の監督も浦山桐郎でした。

わたしは芦川いづみさんが活躍されていたころに生まれたものですが吉永さんと芦川さんを比べると女優としての演技は芦川さんのほうが上でしょうね。吉永さんは美人ですが優等生的で余計なことをいわない無色透明なイメージが強い感じがするのです。芦川さんは芯ののしっかりした方でしょうか。意外に樹木希林さんの見方はあたっているように思います。わたしにとっては断然芦川いづみが魅力的ですね。でも78才なんですね。わたしの母よりすこし若いくらいかな。サユリストのみなさんごめんなさいね。まぼろし探偵の吉永さんとってもかわいいな。

「純情可憐」とは芦川いづみのための言葉に思えます。78歳のいいおばあちゃんになっているはずの芦川いづみをいまだに独占し続ける亭主の藤竜也は、大変な幸せ者です・・・・っていうか、欲張りだなぁ。
芦川いづみの魅力が全開の映画と言えば、なんと言いましても、川島雄三の「洲崎パラダイス赤信号」と、 田坂具隆の「乳母車」がお勧めです。

実際の芦川いづみさんの性格はどういう感じなんでしょうか?気になってます。わたしは「怪傑ハリマオ」に出演されていた江島慶子さんも好きになりました。

管理者様の素晴らしい切り口での当欄記事を楽しく拝読しました、ありがとうございます。

私は40代半ば、従いまして芦川さんのことはずっと最近になって本当の意味で知ったところです。私のような世代の者にとっても本当に魅力的です。やっぱりあの頃の時代の人特有の毅然とした、芯の通った美しさがあるのかな、などど感じます。

作品では(私の観た中では)、「美しい暦」「青い山脈」での教師役でピッタリかなと。もう絶対的な知的さと清潔感がありますね。

惜しむらくは芦川さんが出演された作品のごく一部しか今は観れないことですね。それは吉永小百合さんも同様なのですが。

それにしましても…このページ掲載の芦川さんのカット、きれいですね。初めて見ました。

はじめまして。
もうすぐ還暦の四国在住の男性です。
芦川いづみさんの事を調べていてこの記事を読ませてもらいました。

壮大な零さんは酢豆腐さんのコメントへの返信のなかで
「私にとっての吉永小百合の『新境地への挑戦』と申しますと、何と言っても昭和50年の東宝映画『青春の門・筑豊篇』」
と書いておられる。
これを読んだとき昭和41年の吉永さん主演の「白鳥」という映画を思い出しました。
映画「白鳥」封切り時にも「吉永小百合、新境地への挑戦」という意味の芸能記事がかなり流れた記憶があります。

二人の男性を同時に愛してしまった主人公が自分の出生の秘密をも知って自暴自棄になり男性二人に体を与えたあと入水自殺するという松山善三脚本のお話は、たしかにそれまでの吉永作品には見られないものでした。

中学生になったばかりの私にとっては刺激の大きな話でドキドキしながら映画館へ行ったものです。
当時はほかにも「星由里子が『颱風とざくろ』で乳房を見せている」と聞けば東宝系の映画館に飛んでいったり、「『007は二度死ぬ』撮影時の浜美枝のヌードがPLAYBOY誌に載っている」と聞けば田舎の書店を探し回ったりしていました。
まさに「性に目覚める頃」まっただなかでした。

ただこの映画「白鳥」が吉永さんを一皮剥けさせたかどうか。
吉永さんは人としてはとっても可愛らしくてとっても頑張り屋で大好きなんですが、役者としてはデビュー後50年経ってもいまいち肩の力の抜けきらない演技をする人だと感じています。

昔、吉永小百合さんがまだ新人の頃、病気になり、その時芦川いずみさんが一晩中看病されたと聞きました!素顔も大変優しい人だったそうです。

芦川いづみ素晴らしい女優でした。今旦那の藤竜也が渋くて素敵な俳優になっているが、結婚した当時は断然、いづみの方が、大スターだったが自分はピタリと引退し夫の藤竜也を立ててこんにちを迎えているのは、まさに素晴らしい。フアンとしては彼女の作品をもっとビデオで観たい。

壮大な零さんが芦川いづみを紹介するに当たって使われている写真、おそらく「その壁を砕け」という昭和34年の映画の1シーンのカットだと思われます。
たまたま神保町シアターで上映していたので観てきました。

冤罪で捕まった被告の婚約者という配役で、一途に彼を信じ支えて裁判に打ち勝つという役どころ。可憐さだけではなく、かなり演技派の女優だったようです。

たまたま興味本位で観ましたが、半世紀以上も前の、且つ白黒映画なのにすっかり惹き込まれました。ストーリーの組み立て、カメラワーク、脇役達の迫真の演技。
無名?の映画にしてこれだけの出来ですから、当時の日本映画の水準は相当高かったと思われます。

小生小学生且つ田舎者でしたから、当時観た映画の懐かしい記憶は殆どありません。残念です・・・。

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読んだぞ!リスト

  • 堀田 善衞: 時間 (岩波現代文庫)

    堀田 善衞: 時間 (岩波現代文庫)
    1936年から37年の南京事件を被害者の立場から描いた小説。「事実のけたはずれのすごみがかえって出来事をストーリー化のあたわぬものとして宙ずりにしてしまう」という逸見庸の解説が的確。ミクロの事実のディテールを克明に追うことによって、被害者の数ごときでは思い及ばぬ真実を読者に理解させる。 (★★★★★)

  • Henry Hazlitt(ヘンリー・ハズリット): 日経BPクラシックス 世界一シンプルな経済学

    Henry Hazlitt(ヘンリー・ハズリット): 日経BPクラシックス 世界一シンプルな経済学
    今売り出しのリベタリアンによる経済学の基本書です。いわば自由市場至上主義のおっそろしくわかりやすい入門書です。わかりやすすぎて読んでいると、眠くなります。昔、そういえばサミュエルソンの基本書を読むときも同様の眠さを感じました。睡眠導入書として一冊いかがでしょうか? (★★★)

  • 司馬 遼太郎: 関ヶ原〈上〉 (新潮文庫)

    司馬 遼太郎: 関ヶ原〈上〉 (新潮文庫)
    古今最大の戦闘となった天下分け目の決戦の過程を描かせたら司馬遼太郎の右に出る人はおりません。広大な関ヶ原を舞台に、これ以上ないような複雑な人間関係を生き生きと描写して最後まで一気に読ませます。しかし、私は今さらながら知ったのですが、関ヶ原の戦いって、ギリギリの好勝負だったんですねぇ。 (★★★★★)

  • 鈴木 大拙: 禅 (ちくま文庫)

    鈴木 大拙: 禅 (ちくま文庫)
    難解な禅の神髄そして悟りについて、平易に説得力をもって解説してくれる禅入門の名著。要するに「色即是空、空即是色」の世界を噛んで含んで丁寧に教えてくれる。世界の見え方が変わるほど理解できた気になるのは、大拙師のおかげか、はたまた訳者の工藤澄子氏のおかげなるや? (★★★★★)

  • 岸田 秀: ものぐさ精神分析 (中公文庫)

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    「人間は本能の壊れた動物である」から始まってフロイトもユングもぶっ飛ばして、人間存在の幻想性を鍵に、独自の「岸田唯幻論」を展開する。作者自身が自信なさそうで、こちらも今一つ乗り切れない。 (★★★)

  • 辺見 庸: 1★9★3★7(イクミナ)

    辺見 庸: 1★9★3★7(イクミナ)
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  • エマニュエル・トッド: 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告 (文春新書)

    エマニュエル・トッド: 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告 (文春新書)
    最近珍しい元気のいいフランス人エマニュエル・トッドが、没落するフランスをほとんどドイツのせいにして悪態をつく。ドイツにとって、東西ドイツ統合もEU統合も千載一遇の濡れ手で粟であることを声高く主張するトッドさん。割り引かなければならないが、説得力あるよ。 (★★★★)

  • 司馬 遼太郎: 世に棲む日日 (文春文庫)

    司馬 遼太郎: 世に棲む日日 (文春文庫)
    どんな幕末オタクでも、苦手とするわかりにくい時期があります。蛤御門から薩長合同の時期の長州の実情です。久坂玄瑞をはじめ手当り次第で死んでいき、誰もがもはや長州は壊滅と確信した瞬間、鬼神とも雷神とも称される高杉晋作の奇跡的怒涛の進撃で情勢逆転。この様子がよくわかる司馬遼太郎の天才的作品です。 (★★★★★)

  • 百田 尚樹: 影法師 (講談社文庫)

    百田 尚樹: 影法師 (講談社文庫)
    本屋大賞作家百田尚樹の小説作法のよくわかる作品。あらかじめ伏線を思い切り撒いておいて、最後にかたっぱしから回収しまくる方式が、読み手としては快感。しかし「永遠の0」の時も思ったのですが、本作の彦四朗といい主人公の潔い高潔さと自己犠牲の姿勢はちょっと非現実と言ってはいけませんかねぇ。 (★★★)

  • 菊地 明: 新選組三番組長 斎藤一の生涯 (新人物文庫)

    菊地 明: 新選組三番組長 斎藤一の生涯 (新人物文庫)
    「寡黙で猟奇的な人切り」なのかはたまた「最後は警官と東京高師の事務官を勤め上げた謹厳実直の人」か?謎の新撰組隊士の全貌が見渡せる。読後、最大のサプライズは、斉藤の妻はなんと!山本八重に勝って会津藩の照姫の祐筆を射止めた高尾(貫地谷しほり)だったということです。 (★★★)

  • 佐野 眞一: 甘粕正彦 乱心の曠野

    佐野 眞一: 甘粕正彦 乱心の曠野
    著者独特の克明な調査を反映して大変な長編ルポルタージュになっており、部分的にディテールに入り込みすぎてわかりにくいところはあるものの、最終盤にかけてドラマチックでとってもおもしろい。甘粕憲兵大尉については吉田喜重の「エロス+虐殺」以来デモーニッシュなイメージが先行してしまいがちな我々の世代にとって、あっと驚く新事実続出で当時が決して異常な世相とは思えない気がしてくる。要するに今でも起こりうるという意味で・・・ (★★★★★)

  • 鹿島 圭介: 警察庁長官を撃った男

    鹿島 圭介: 警察庁長官を撃った男
    あの立花隆大先生が週刊誌で推薦している本。あまりに有名な'65年の国松孝次警察庁長官狙撃事件のノンフィクションルポ。立花先生が珍しく「真犯人はこの老人だ!」と興奮して断言する。著者はフリーのルポライターなれど、文章力弱く読みにくい。しかし、これが事実とすると当時の米村警視総監の責任は非常に重い。 (★★★★)

  • 北野 武: 超思考

    北野 武: 超思考
    私はこれまでのタケシ本をほとんど読んできましたし、読んで損はなかったケースがほとんどでした。今回も幻冬舎が満を持して出版したようですが、さすがに新鮮味が薄れてきました。タケシの少年期における母親の教育を何度か賛美しているが、これはたけちゃんらしくなくて、「タケシ!老いたり!」と思わせます。 (★★★)

  • 渡辺 淳一: 孤舟

    渡辺 淳一: 孤舟
    某一流広告会社をそこそこの役員で退職した高級サラリーマンの定年退職後を「失楽園」の渡辺淳一が意欲的に描いたはずだったのですが・・・この小説は全くひどいですねぇ。この主人公、とにかくウジウジした思いっきり情けないおっさんです。あの「失楽園」で過激に世間を挑発した同じ作者とは到底思えません。 (★)

  • 町田 康: 告白 (中公文庫)

    町田 康: 告白 (中公文庫)
    明治26年に実際に起きた大阪府南東部赤阪水分の11人斬殺事件を題材としたロックンローラーで作家の町田康の傑作。全編独特のロック調とも言うべき文体で、かつ河内音頭の熱と意気を感じさせる。事件後わずか1ヶ月で河内音頭として大ヒット。「男持つなら熊太郎弥五郎、十人殺して名を残す」と歌っている。 (★★★★)

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